[ 2009年 02月 ]

02月06日 (金)   

今月のTOP写真は、スーダンでのシェリフ・ハサバッラ村診療所での川原医師診療風景。

今月も鎌倉・湘南で「もうひとつのスーダン 日本人医師 川原尚行医師の挑戦」と題して、2月8日から15日まで写真展を開催する。昨年6月に長崎で写真展を始めて以来、通算5回目となる写真展。写真展としてはペースが早い。
しかし地道に、これからも続けていこうと思う。
詳細は、「NEWS」に掲載してありますので、ぜひご覧ください。
初日にも、最終日にも計3組のアーティストたちが音楽を奏でて会場を盛り上げてくれます。
音楽畑でやってきたならではの写真展に音楽を融合させていく試み・・・まだまだ続けていきたい。

1月は、大阪に行く前に日記を記したきりになってしまったのだが、スピッツ大阪城ホール2日間は感無量のファイナル2daysとなった。足掛け3年にも及ぶ「さざなみOTR」ツアーの全ての最終日。
本当にスピッツとともに歩んできたことを幸せに思い、全身に素晴らしいスピッツサウンドを浴び尽くした・・・誇りをも伴う充実感。
翌日は、お正月も返上で仕事していたので、スピッツツアーの大きな仕事を終えての自分的お正月を味わうため郷里である広島に向かった。その新幹線のなかでも大きな充実したツアーが終わってしまった達成感と空虚感で、恥ずかしながらしんみりと涙が浮かんでくる。恥ずかしいのだけれど、今年で50歳になるオッサンがここまでの幸福感のなかに包まれる幸せとスピッツの音楽に感謝した。

スピッツアリーナツアーの写真は、「ロッキングオン」や各雑誌、そしてファンクラブの会報では全面的に特集される予定。

広島に帰った自分は、酒浸り・・・そして話題は親戚のことやら甥っ子、姪っ子の近況など・・・。
その甥っ子のひとりが昨年9月から約1ヶ月間ほど、アメリカを旅した。
僕がスーダンに渡航した日と同じ日に彼は関空から夕方の便でアメリカへ・・・僕は同じ関空から深夜にスーダンに向けて。
彼がアメリカに行く前に連絡を取りあっていて、おじさんなりの旅の情報や旅の基本を伝授していた。

彼は中学の頃からギターが好きで、自分でもバンドで活動したり・・・どんどんエレクトリックなブルースギターに没頭していった。シカゴに入ってマイアミ、ニューヨーク、アトランタ、そしてブルースの本場メンフィスと1ヶ月の間にグレイハウンドバスに乗って各地を回ったようだ。
そして30日中に15回ほどの現地のミュージシャンたちとセッションをしていったらしい。
そして各地で、いろいろな人に出会い、日本にいるだけではわからないアメリカの人々の本当にやさしい心に触れたみたいだ。

僕も若い頃、3ヶ月グレイハウンドバスに揺られアメリカ縦断の旅をした。
その時も感じたことだがアメリカの人々は実に旅人にやさしいのだ。
彼らももとは移民・・・旅する人間にやさしいのだ。そして日本から見ると黒人差別やらメキシコ移民やいろいろな移民との軋轢を耳にするが、実際行ってみると、確かに差別もあるのだろうけれど多人種国家として成り立っているため僕たちが黄色人種の日本人だろうが、なんだろうが区別がなく接してくれるのだ。
日本のなかにいる方がよほど外国人に対して警戒したり旅人に冷たい感覚を味わうことがある。まぁ英語も出来ないこともあるけれど、とにかく外人に慣れてないのである。

そんな甥っ子が20代前半に、そんな人々や音楽に出会う旅をしてきたことを我がことのように嬉しく思う。
彼の将来が、どこに進んで行ったとしても、この体験はきっとこれからの人生の見え方に良い影響をしていくと思う。
また甥っ子とは酒を酌み交わしながらアメリカのいろいろな話しで盛り上がりたいと思う。

もう僕も50歳・・・甥っ子も姪っ子たちも我が娘や息子も、それぞれが子供の時代から社会や大人のドアを開け始めている。
兄貴の長女であるかわいいかわいい姪っ子も、高校卒業そして大学進学、将来に向けて歩き始めている。
姪っ子も、このホームページを時々見てくれているみたいで、変わった生き方をしているおじさんの生き方を見てくれている。

僕はまだまだ子供たちや若い世代に遠慮することなく、我が道を探求していこうと思う。
それと同時に、そんな彼らとも同じ感覚を共有できる仲間でありたいとも思っている。そして共に歩んでいく。

1月に大阪後に3日間の広島滞在を終え、写真展の準備や各仕事の仕上げに没頭していたら、6日になってしまった。
さぁ・・・あさってから湘南写真展。みなさん気軽にいらしてください。
僕が現地にいるのは、今のところ・・・初日の8日と最終日の15日です。お会いできるのを楽しみにしています。
写真右は、ちとっわかりにくいが写真展会場。
計40点の写真を展示した。
販売物としては、表紙になった「デジタルフォト」と「DAYS JAPAN」の雑誌2冊。そしてロシナンテスカレンダー2009。
そしてスーダンダルフールの民芸品・・・しかし12月の福井での写真展でほとんど売れてしまい、ほんの少ししか在庫がなくなってしまった。申し訳ないっ・・・今後のことを考えてまた仕入れの方を考えていきますね。
もちろん写真そのものも販売していますので、懐を暖かくしておいでください(笑)。
会場は江の電・稲村ケ崎駅のすぐ近く。会場のすぐ表は湘南海岸なので、すごく気持ちいい空間にあります。

 
写真展会場 ホームページ 「inamura PANASKY」

02月13日 (金)   

初日の8日には、ボサノバシンガーの柿木有加子さんがライブをしてくれた。
やはり展示空間に音楽が響くのは、なんともいえない空間になる。
日曜の昼下がり・・・海のすぐ近くということも手伝って、なんとも幸福な気分に包まれた。
もっと早く日記で報告しなければならないのだが、毎日が慌ただしく今日になってしまった。
今日を入れて写真展期間は、あと3日。やはり週刊誌並みに早いのである。

早くもあさってが最終日となるが、その日は板倉さんのユニット「Merge」がたっぷり演奏してくれる。
オープニングアクトを務めてもらう岡田淳ちゃんも初披露。
ほんとうに思い出に残る1日になりそうで、楽しみである。

昨日は、古い古い親友に頼まれて久しぶりに雑誌取材のカメラマンをした・・・泉谷しげるとなぎら健壱の対談。
フォークやロックの日本での創世記の1960年代後半から70年代前半に、日本初のインディーズレーベル・・エレックレコードとURCレコードの両社から出した泉谷しげるやなぎら健壱はもちろんのこと、拓郎やはっぴぃえんど、古井戸や加川良などなど、日本の音楽歴史上でも超貴重なアルバムのCD再販をきっかけの対談。内容は相当興味深くおもしろかった。
あの当時の20代前半の若者の天才ぶりとエネルギーをダイレクトに感じることができると思う。

このあたりの創世記の音楽のエネルギーに満ちたうねりを感じると、最近の音楽の流行だけで小さくまとまった音楽が少し哀しいものに映るのだ。発売日や雑誌名はまた後程ということで・・・。

02月14日 (土)   

昨年6月にナガサキピースミュージアムでスーダンの写真展を行なった。その時に見に来てくれ知り合いになったスコット・ルーカス君が、ピースミュージアムで写真展を開催すると知らせてきてくれた。
彼は頻繁にカンボジアに渡航していて、気取りのない普段のカンボジアの生活や子供たち、風景を撮影している。
お近くの方は、ぜひ足を運んでみてください。

期間や詳細は、左の写真を見てね。

そして僕の方は、明日が写真展最終日。

ライブは多いに楽しめそうだけれど、ちとっ・・・僕と板さんのトークショーは緊張くんである。
まぁーテキトーにダラダラとしゃべり倒したいと思っていますので・・・意味不明の際はご勘弁くださいね。

02月16日 (月)   

昨日2月15日で、神奈川湘南での写真展が終わった。最終日は板倉さんのユニット「merge」と岡田淳が、会場に音の彩りを添えてくれた。多くの方に来ていただきほんとうに感謝である。販売物もたくさん購入していただき、入場料やらカンパやらでひとりひとりの大切な支援をスーダンに確実に届けたいと思う。
そして何より少しでも心が皆さんに伝わっていることが実感できて、すごく充実した写真展になった。
この場を借りて、改めてありがとうございました。今日は少しだけ昨日の写真を載せたいと思う。
開場12時半には、多くのお客さんが外で待ってくれていた。その5分前・・・ギリギリまでリハーサルをしていたため慌ただしく開場へ。
一気に会場はお客さんで溢れ、熱心に写真を見てくれている。
皆さんが何かを感じてくれているのを肌で感じることができる。
開演の1時を少し押して、オープニングアクトを努めてくれた岡田淳のライブが始まる。彼女は僕のリクエストに快く答えてくれてスピッツの「愛のことば」の触りを1曲目に披露してくれた。

「限りある未来を 絞る取る日々から抜け出そうと誓った 君の目に映る海・・」

そして彼女のオリジナル曲「朱色」へと・・・。

彼女の歌は、どれもが詩が独特の切り口なのと、ギターフレーズも独特のものを持っていると思っている。
そしてなんと言っても彼女の声が素晴らしいのである。
僕にとって魔力があるというか・・・一度はまり込むと何度も何度も聴きたくなる魔力がある歌声なのである。
もう何百回・・・リピートして繰り返し聴き続けただろうか。

まだまだ経験不足なところも沢山あるけれど、彼女の輝く一瞬をひとつずつ少しずつ増やしていきたいと思っている。
僕と彼女は、いま二人三脚のかたちで、彼女の音楽を探究している。

「空と海溶け合う瞬間」「デザート」「深い森」そして「アネモネ」
・・・どの曲も恋愛や夢への想いをひたすら真っすぐに捉えたものだが、そのどれもがスーダンでのイメージと重なっていく。
歌や音楽のイメージの広がりを感じさせてくれた。
これからも頻繁にライブをしていくので、ぜひ彼女の成長を一緒に体験してほしいと思う。
もちろん僕もスケジュールを調整して必ず現場にいたいと思っている。引き続きの応援よろしくです。
彼女のホームページも、今後は僕がデザインや運営を携わっていく予定。リニューアルは4月あたりを目標。
小さな小さな漂う舟に浮かんでいたの

一度壊れたもの 元に戻す術は ないの?

消えないで そこに置いててよ
何度 こぼれただろう? 

擦り切れた想い 水の流れに委ねましょう
儚き願いは 花びらとともに散ってしまったの

「アネモネ」 作詞・作曲 岡田淳
スーダン東部 ガダーレフ州 雨が降らず荒廃した大地  2008年9月撮影
そして、そして「merge」のライブ・・・1時間半近くの熱のこもった演奏をしてくれた。
板さんとは26年のお付き合い、そしてRarezaとも、なぜか・・彼女が10代の頃からの付き合い。
彼女がどんどん素晴らしい女性というか、いい女になっているのを感じる。「merge」のライブは、ほんとうに音楽は楽しい、人生は楽しむのだ・・・哀しいことがあるから楽しむのだというラテンの空気が溢れている。
そして「merge」がラストに選んでくれたのが「ONE」
Rarezaが作詞をして、板さんが作曲・・・Rarezaが想いを語ってくれる。
「10代の頃にこれから自分が歌っていく意味を探していた・・・そして誰かの為になることを、少しでも力になれていく歌を・・
今日少しだけ、お手伝いできた気がします。そしてこれからも歌を歌うことによって誰かのためになれたらと思います・・」

僕のなかで深々と繋がっていっていることを実感する。
君は今 何を見ているの
この広い広い空の下 名前も知らない君だけど

ぼくは今 何ができるだろう
君が笑う顔が そう見たいだけ

この想いが届くなら 
その震えを止めて 戦い合うために生まれてきたんじゃない
この想いは果てしなく 君を守ってあげる
悲しみをいつの日か 愛という力にして・・・

「ONE」merge  作詞 Rareza 作曲 板倉雅一
スーダン ダルフール難民キャンプにて
2008年9月撮影
ぜひ、mergeの音楽も聴いてほしい。僕もこれからもずっと見つめていく。
そして、最後は僕と板さんのトークショー・・・スーダンの話しをメインにと思っていたのだが、やはり板さんとは音楽方向へ話しが脱線。収拾つかなくなった話しの流れを先輩板さんが何度も修正してくれて、どうにか・・・30分くらいのダラダラ話しがにこやかに終了。その後、お客さんともお話ししたり、表紙になった雑誌やロシナンテスカレンダーに沢山サインさせていただいた。サインといっても僕は裏方家業なのでサインを持っていない・・・ただJUNJI NAITOと書いて、あと補足ということで漢字で
内藤順司と書く。まったくもって申し訳ない気持ちなのだが、まぁそれはそれでということで・・・。
来ていただいたお客さんとお話しするのは楽しい・・・お客さんたちがそれぞれ何を感じてくれているのかを感じることができる。そして最後はスタッフ、出演者みんなでパチりっ!! ほんとうにありがとうございましたの感謝の気持ちでいっぱい。

これからの写真展予定は今のところない・・・もしかしたら5月に今度は鹿児島でという話しがある。
あとは少しじっくりと構えて、整理して、また新たな作品も作って次の段階の展示を目指したいと思っている。
まだまだ、まだまだ続いていくのです。

では、今日はこのあたりで・・・写真展報告でした。